Friday, February 3, 2012

鬼は・・・

今日は2年生の授業で「節分の話」を紹介しました。昔話の言葉で聞きなれない上、映像がないのでわかりにくかったと思いますが、興味のある人はもう一度見てみてくださいね。

さ、みなさんも、「鬼は~~内!」
下のコメントのところに、話の内容も載せておきます。

YouTubeの映像は削除されてしまいましたので、話の内容はコメントのところで読んでください。

1 comment:

  1. むかしむかし、ある山里に、一人暮らしのおじいさんがいました。
     この山里では今年も豊作で、秋祭りでにぎわっていましたが、誰もおじいさんをさそってくれる者はおりません。
     おじいさんは祭りの踊りの輪にも入らず、遠くから見ているだけでした。
     おじいさんのおかみさんは病気で早くになくなって、一人息子も二年前に病気で死んでいました。
     おじいさんは毎日、おかみさんと息子の小さなお墓に、お参りする事だけが楽しみでした。

    「かかや、息子や、早くお迎えに来てけろや。極楽(ごくらく)さ、連れてってけろや」
     そう言って、いつまでもいつまでも、お墓の前で手を合わせているのでした。
     やがてこの山里にも冬が来て、おじいさんの小さな家は、すっぽりと深い雪に埋もれてしまいました。
     冬の間中、おじいさんはお墓参りにも出かけられず、じっと家の中に閉じこもっています。
     正月が来ても、もちを買うお金もありません。
     ただ冬が過ぎるのを、待っているだけでした。

     ある晴れた日、さみしさに耐えられなくなって、おじいさんは雪に埋まりながら、おかみさんと息子に会いに出かけました。
     お墓は、すっかり雪に埋まっています。
     おじいさんは、そのお墓の雪を手で払いのけると。
    「さぶかったべえ。おらのこさえた甘酒だ。これ飲んで温まってけろ」
     おじいさんは甘酒を供えて、お墓の前で長い事、話しかけていました。
     帰る頃には、もう日も暮れていました。
     暗い夜道を歩くおじいさんの耳に、子どもたちの声が聞こえてきます。
    「鬼は~、外! 福は~、内!」
    「鬼は~、外! 福は~、内!」
     おじいさんは足を止めて、辺りを見回しました。
     どの家にも明かりがともって、楽しそうな声がします。
    「ほう、今夜は節分(せつぶん)じゃったか」
     おじいさんは、息子が元気だった頃の節分を思い出しました。
     鬼の面をかぶったおじいさんに、息子が豆を投げつけます。
     息子に投げつけられた豆の痛さも、今では楽しい思い出です。
     おじいさんは家に帰ると、押し入れの中から古いつづらを出しました。
    「おお、あったぞ。むかし、息子とまいた節分の豆じゃあ。ああそれに、これは息子がわしに作ってくれた鬼の面じゃ」
     思い出の面をつけたじいさんは、ある事を思いつきました。
    「おっかあも、可愛い息子も、もういねえ。ましてや、福の神なんざにゃ、とっくに見放されておる」
     こう思ったおじいさんは、鬼の面をかぶって豆をまき始めました。
    「鬼は~内、福は~外。鬼は~内、福は~外」
     おじいさんは、わざとアベコベに叫んで豆をまきました。
    「鬼は~内、福は~外」
     もう、まく豆がなくなって、ヘタヘタと座り込んでしまいました。
     その時、おじいさんの家に誰かがやって来ました。
    「おばんでーす。おばんです」
    「誰だ? おらの家に、何か用だか?」
     おじいさんは、戸を開けてビックリ。
    「わあーーっ!」
     そこにいたのは、赤鬼と青鬼でした。
    「いやー、どこさ行っても、『鬼は~外、鬼は~外』って、嫌われてばかりでのう。それなのに、お前の家では、『鬼は~内』って、呼んでくれたでな」
     おじいさんは震えながら、やっとの事で言いました。
    「す、すると、おめえさんたちは節分の鬼?」
    「んだ、んだ。こんなうれしい事はねえ。まんずあたらしてけろ」
    と、ズカズカと家に入り込んで来ました。
    「ま、待ってろや。今、たきぎを持って来るだに」
     この家に客が来たなんて、何年ぶりの事でしょう。
     たとえ赤鬼と青鬼でも、おじいさんにはうれしい客人でした。
     赤鬼と青鬼とおじいさんが、いろりにあたっていると、またまた人、いえ、鬼が訪ねて来ました。
    「おばんでーす。おばんです」
    「『鬼は~内』ってよばった家は、ここだかの?」
    「おーっ、ここだ、ここだ」
    「さむさむ。まずは、あたらしてもらうべえ」
     ぞろぞろ、ぞろぞろ、それからも大勢の鬼たちが入って来ました。
     何と節分の豆に追われた鬼がみんな、おじいさんの家に集まって来たのです。
    「何にもないけんど、うんと温まってけろや」
    「うん、あったけえ、あったけえ」
     おじいさんは、いろりにまきをドンドンくべました。
     十分に温まった鬼たちは、おじいさんに言いました。
    「何かお礼をしたいが、欲しい物はないか?」
    「いやいや、何もいらねえだ。あんたらに喜んでもらえただけで、おら、うれしいだあ」
    「それじゃあ、おらたちの気がすまねえ。どうか、望みをいうてくれ」
    「そうかい。じゃあ、温かい甘酒でもあれば、みんなで飲めるがのう」
    「おお、引き受けたぞ」
    「待ってろや」
     鬼たちは、あっという間に出て行ってしまいましたが、
    「待たせたのう」
     しばらくすると、甘酒やら、ごちそうやら、そのうえお金まで山ほどかかえて、鬼たちが帰って来ました。
     たちまち、大宴会の始まりです。
    「ほれ、じいさん。いっペえ飲んでくれや」
     おじいさんも、すっかりご機嫌です。
     こんな楽しい夜は、おかみさんや息子をなくして以来、始めてです。
     鬼たちとおじいさんは、一緒になって大声で歌いました。
    ♪やんれ、ほんれ、今夜はほんに節分か。
    ♪はずれ者にも、福がある。
    ♪やんれ、やんれさ。
    ♪はずれ者にも、春が来る。
     大宴会は盛り上がって、歌えや踊れやの大騒ぎ。
     おじいさんも鬼の面をつけて、踊り出しました。
    ♪やんれ、やれ、今夜は節分。
    ♪鬼は~内。
    ♪こいつは春から、鬼は内~っ。
     鬼たちは、おじいさんのおかげで、楽しい節分を過ごす事が出来ました。
     朝になると鬼たちは、また来年も来るからと上機嫌で帰って行きました。
     おじいさんは鬼たちが置いていったお金で、おかみさんと息子のお墓を立派な物に直すと、手を合わせながら言いました。
    「おら、もう少し長生きする事にしただ。来年の節分にも、鬼たちを呼ばねばならねえでなあ。鬼たちに、そう約束しただでなあ」
     おじいさんはそう言うと、晴れ晴れした顔で家に帰って行きました。

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